S&P500と時価総額加重平均(浮動株調整済み)インデックスファンドについて
普通の人が資産運用で 99 点をとる方法とその考え方 - hayato
コスト(信託報酬)の安い
時価総額加重平均を採用したインデックスファンド (S&P500、全米、全世界など)
を満たすものにしましょう。これらの条件を満たすものは:eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)
eMAXIS Slim 全世界株式
SBI バンガード S&P500
楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天 VTI)
楽天・全世界株式インデックスファンド (楽天 VT)
などです。これらはネット証券 (SBI 証券、楽天証券など)で購入します。
S&P500は時価総額加重平均のインデックスファンドではありません。まず、S&Pが500銘柄を選んで、その500銘柄に時価総額加重平均(浮動株調整済み)で投資しています。
Vanguard 500 Index Investor (VFINX) Performance | Morningstar
Vanguard Total Stock Market ETF (VTI) Performance - ARCX | Morningstar
差はこんな感じ。為替変動などはすべて丸めて省略して言うと、100万円投資して分配金再投資で10年放置した場合、税引前だと
4,361,600円 S&P500 VFINX
4,284,800円 市場平均 VTI
ほんで、投資期間を30~40年にすると、複利効果があるので(差がある時は)リターンが乖離していきます。今回はたまたまS&P500が上回っていますが、時期によってはVTIが上回っていたり、リターンの上下が交差して変わらない時期もあります。
大型株、グロース株相場だと500銘柄をまず選択するS&P500がリターンがよくなりがちです。米国大型株の市場平均だと、VanguardのETFだとVV(いまだと595銘柄)が相当します。
Vanguard Large-Cap ETF (VV) Performance - ARCX | Morningstar
100万円投資して10年放置だと
4,391,200円 になっています。
これは、VVのポートフォリオがS&P500よりもグロース寄りのためです。
Vanguard 500 Index Investor (VFINX) Portfolio | Morningstar
Vanguard Large-Cap ETF (VV) Portfolio - ARCX | Morningstar
Vanguard Total Stock Market ETF (VTI) Portfolio - ARCX | Morningstar
S&P500は、500銘柄を選ぶ時に少しバイアスがかかっていきます。大型、中型株から500銘柄を選んで市場平均よりはグロース寄りに。でも馬鹿な値段になっている銘柄は外すので、大型株だけのVVよりは、S&P500銘柄は保守的になって、大型株だけよりもバリュー寄りになります。
大型株、グロース相場だと VV(大型株)>S&P500(大、中型株)>VTI(市場全体)になります。バリュー相場だと逆です。
なお、世界株式(といっても小型株は少なめ)のVTだと
Vanguard Total World Stock ETF (VT) Performance - ARCX | Morningstar
100万円投資して10年放置だと
2,889,800円になっています。ここ10年では、アメリカ株が激強だったわけです。
SPDR® Dow Jones Industrial Avrg ETF Tr (DIA) Performance - ARCX | Morningstar
日本国内でも実践が簡単だった、ダウ・ジョーンズインデックスファンドに10年前に100万円だと
3,584,700円から、適当な計算ですいませんが、約15万円を引いたぐらいになっています。
99点と98点というのは、点数はシャープレシオについてのようです。リターンの額面は100万円10年でも数万円単位で変わってきます。VVとVTIであれば10万円以上の差です。
いずれに投資するにせよ、書いてあることをそのまま鵜呑みにするのではなく、自ら調べて投資する方が、最終的に満足できると思います。ここに書かれていることも、竹原ピストルの歌みたいに受け取ってください。
おわり(むしろオチ)。
以下、おまけ
iShares Global Consumer Staples ETF (KXI) Performance - ARCX | Morningstar
自分がよく言う、ローベータな投資、世界の生活必需品銘柄に投資するKXIだと、10年放置だと
2,748,800円になっています。
ひとつひとつのリンク先でグラフを見てもらうと分かりますが、グラフの上下は変動幅です。変動幅が狭いほど、投資方針を維持しやすくなります。
メンタルアカウンティングを制御できるようになるまで、人によって幅があります。できる人はなにもせずにできます。逆に、できない人は相当な時間か、外部からの助けがないとできません。いずれにせよ(人は死ぬので)最終的にはできるようになるんですが、それでは投資のメリットが享受できません。
人はボラティリティであたふたして投資方針を死なせていく
人はボラで死ぬ
ETFはザラ場を見て買うことになるので、安寧は訪れません。「ザラ場みないと不安で死ぬ!」という人は、むしろETFでないと駄目かもしれませんが、そうでない場合は、インデックスファンドを積み立て設定して忘れるぐらいがおすすめです。
日本国内で、口座に金入れて設定しておけば、ETF買い付け、あとDRIPできるようになったらETFもいいでしょう。
ガチで15年以上放置してる銘柄が……DRIPないとできませんでした。